井戸水クーラーを作って見ました(自作)

エアコンと併用するととても経済的で快適な事が解りました。
なお、このページを見て自作する場合は、全て自己責任となります。


当方には、井戸がありますので、夏は、井戸の水を使ってクーラーに利用したいと思いましたが、昔はあちこちで見かけた井戸水利用のクーラーですが、最近は見る事も無くなりました。

色々探しましたが、井戸水クーラーはどこも作って無いようです。『メロンクーラー温室用』や『グリーンシステム井戸クーラー』という大型の物はありましたが、一般家庭で使用できる物ではありませんでした。

仕方ないので、家庭用のエアコンの室内機を利用して自作する事にしました。(作成法は、調べてもありませんでした。)

自作のためには、室内機を手に入れないといけませんが、電気工事屋さんにお願いしても、リサイクル法のため譲ってはもらえません。

そこで、オークションで、室内機だけを手に入れます。(ヤフオクなどでは、一年中出品されています。)

古くて動かなくなった物でも良いですが、新品でも4000円から6000円で買うことができます。

古いものは、タバコくさいとか、中がカビだらけで不衛生だとか欠点だらけですので、新品を買いましょう。送料を入れても10000円以下で手に入ります。

自宅の壊れたエアコンを再利用する場合は、室外機の配管の一部を利用すると、セットが楽ですので、忘れずに取り出しておいてください。

性能は、普通のクーラーの半分ほどですので、扇風機は、必需品となります。

外気温が高い地方ほど、性能は上がります。涼しい地方(高原)などでは性能が期待できません。

必要水量は2〜8リットル/分ほどです。沢山水を流してもエアコン内部の放熱器のサイズからして、あまり性能向上は見込めませんので不経済になります。

井戸水クーラーは湿度が、あまり下がらないので、観葉植物等の育成には最適ではないかと思います。また昼寝をしても喉を痛める心配もありません。その代わり扇風機は必需品になります

井戸水が、毎分4〜6リットルくらい汲み上げる事が出来れば、十分実用になりますが、地方自治体によっては、井戸水使用の場合に、高額な下水道料金を徴収される市町村もありますので、事前に調べてください。

井戸ポンプにメーターを取り付けて、従量制の下水道料金を徴収される場合は、下水道料金が、高額になり、井戸水クーラーを採用するメリットはなくなります。

ちなみに愛知県豊橋市では、家族人数による固定料金(800〜1500円/月)と格安です。

あと、井戸水クーラーのメリットととして、室外機が無いので、室外機を置けない部屋にも設置可能な事が上げられます。

なお、いったん汲み上げた水を再び井戸に戻すのは、違法となりますので、絶対にしないで下さい。


室内機を手に入れましたら、配管をすれば、出来上がりです。特に難しいところはありませんが、、、、

注意することは

室外機がないと、送風運転をしない室内機が、稀にありますので、室内機単独で送風が可能な機種を選択する事です。リモコンに送風ボタンや乾燥ボタンが無い物は、室内機だけでは、送風しない場合があります。

銅管との接着には、二液性のものより、シリコン接着剤が適しています。振動や、曲げに強いのが利点です。

ただし、濡れていると駄目ですので、接着箇所は、よく乾燥させてください

クーラーの配管には、細い管と、太い管がありますので、井戸ポンプ→バルブ→細い管→太い管→排水この順番で配管します。

水漏れを防ぐために

1 バルブは、クーラー前に取り付ける。
2 細い管から注水、太い管から排水する

この点をまちがいなくセッティングしてください。


室外機からはずした、接続金具が無く、ホースを直接室内機の配管に、接続する場合は、

1 配管の先(オスネジの元)をカットする
切ったパイプの先は、セロテープを巻いてふさいでおきます

2 塩ビ管を差込む
3 隙間にシリコンを充填する

シリコンを入れるとき、先にシリコンをパイプにつけて置き、回転させながら差し込むと奥までシリコンが入ります。

4 乾燥後、ホースをつなぐ

以上のような作業になります。

部品取り

壊れた室外機があれば、室外機の配管を取り外して、接続具が作れます。

この場合は、上記の室内機側の配管の加工は、必要ありません。またメンテ時に取り外しが楽になります。
この配管は、室内機との接続箇所にも使われていますので、そちらを取り外してもOKです。
接続パイプ

室内機につなぐ接続パイプを作るには、室外機から取り外したパイプの

1 配管を適当な長さで、カットする
切ったパイプの先は、セロテープを巻いてふさいでおきます

2 塩ビ管を差込む
3 隙間にシリコンを充填する

シリコンを入れるとき、先にシリコンをパイプにつけて置き、回転させながら差し込むと奥までシリコンが入ります。

4 乾燥後、ホースをつなぐ
5 室内機のパイプにつなぐ

ホースは、抜けないよう、ホースバンドでキチンと止めて置きます

配管には、断熱材を巻いて置きます。これをしないと、結露で水滴が滴り落ちます。

温水を通して、暖房機として使用することも出来ますが、温水を沸かす熱源の経費を考えますと、あまりよいものは、ありません。

最近のエアコンは、5万程度のエアコンでも、灯油ボイラー並みの経費ですので、寒い地方や、それ以上の経済的な熱源が無いと無理です。

エコキュートの場合なら、計算上は、十分使用可能になりますが、送られてくる熱水が50度以上あると、考えますと、万一の水漏れ時に、火傷をする可能性もありますので、使用しないほうが良いとおもいます。

なお、このページを見て自作する場合は、全て自己責任となります。
カビ対策も忘れずにしてください

井戸水クーラーに限らず、クーラーは内部に結露を生じます。時間がたちますと、必ずカビが発生します。

カビは、成長すると、胞子を撒き散らします。この胞子を吸い込みますと、アレルギー症状を発生(咳、微熱、頭痛等)することがあります。

ひどい場合は、肺炎になってしまう場合もあるそうですので、たかが、カビと馬鹿にできません。

対策は、冷房停止後1〜3時間の送風運転をして、内部の水分を、完全に追い払うことです。これは、必ず実行してください。また、部屋の換気もきちんと行う必要があります。

エアコン改造の井戸水クーラーは、除湿能力が低いため、湿度があまり下がりませんので、特に注意が必要です。

単独で使用するより、除湿機とペアで使ったり、エアコンの補助として使用したりするのが良いと思います。

カビの胞子の吸入防止には、空気清浄機も有効です。現在なら、浮遊している胞子の、99.9%以上も、取り除く製品がたくさん売られています

実際の使用例の参考データー
外気温30〜34度、8畳間、廊下出入り口扉は、開放
部屋の中の発熱源300W〜400W(PC常時稼動)
0 井戸水
クーラー
エアコン
27度に設定時

噴出し口から
2mの地点の
気温と湿度
27〜28℃

80〜85%

24〜26℃

稼動時70〜80%
 ↑交互運転↓
送風時75〜85%

部屋の
気温と湿度

水量2〜4L/分
28〜32℃

70〜80%
28℃

60〜70%

部屋の
気温と湿度

水量4〜8L/分
27〜30℃

65〜70%

体感的には、井戸水クーラーのほうが、肌に少しべた付きを感じますが、扇風機を掛ければ、肌のべた付きもなくなり事務仕事なら十分な環境となります。

室内に、熱源が約300〜400Wほどありますので、一般家庭での使用なら、井戸水クーラーは、もう少し利きが良いと思われます

エアコンの補助としても効果大

現在エアコンを使用している家庭でも、エアコンと併用すれば、エアコンの電気代を大幅に減らす事が出来ると思います。

エアコンは、省エネになったといっても300w〜1000Wの電気を消費します。特に暑い11〜3時ころは、消費電力も大きくなっています。

井戸ポンプは、家庭用なら消費電力は200〜400W(たいては200W程度)ですので、十分差額がでると思います。

挑戦してみたい人は、簡単ことならご質問にお答えいたしますので、メールでお問い合わせください。ただし、自作する場合は、全て自己責任となります。
追記 2006-8-3
     エアコンと井戸水クーラー併用時

  外気温30〜34度   10畳洋間 出入り口閉 熱源無し
  エアコン設定 26度    井戸クーラー約4リットル
  室温27〜28℃  湿度70%前後

エアコンのみの場合は、ほとんどの時間を、冷房運転していたのが、送風運転(コンプレッサー停止状態)が、半分以上になり電気代が半額くらいになると思われる

ただ、外気温が、あまり高くないと送風運転のみとなり、湿度が下がらないので、外気温の低い時(30度前後)の場合は、エアコンは、冷房運転でなくドライ運転にすると良い

その場合は、湿度が70%以下になり大変快適になりました。

追記 2006-8-5
              耐久性について

エアコン内部の銅パイプの耐久性について、ご質問がありましたので当方の環境での使用状況を、お答えします。

夏の間2ヶ月ほど井戸水を通水して、使用。
その他の季節は、バルブを閉めて、そのままにしてあります。

一号機 2003-6月から現在使用中(他家で使用中)
2号機
2004-6月から現在使用中
三号機 2005-6月から現在使用中
四号機 2006-7月から現在使用中(他家で使用中)
試作機
2004-7月 窓用改造スポットクーラー 現在使用中
五号機
2007-7月 作業場用に設置 現在使用中止中
六号機
2008-7月 大型据え置きタイプを作業場用に設置後 現在使用中

水が入ったままでは、耐久性が落ちるので、本来は、水の入り口から、熱帯魚用のポンプ等で、空気を吹き込んで、パイプ内部を乾燥させてやれば、長持ちすると思いますが、面倒でしていません。

このページを見て自作する場合は、全て自己責任となります。
追記 2007-8-10
               電気代について

井戸ポンプが去年までは、出力400Wの深井戸用を24時間使用していたので、基本料金を含めて6000円/月の電気代でした。

他の用途にも使用していたため、井戸水クーラーだけの電気代が不明でした。

2007年は、ナショナルの400W自動ポンプと取り替えましたので、だいたいですが、井戸水クーラーの電気代が判明しました。

クーラーの未使用時は、1500円/月ほどですが、7月8月は4000円/月くらいになりましたので、井戸水クーラー1台当たりでは、1300円ほどになります。(現在2台稼動中)

当方は深井戸(水位約17m)からの汲み上げですので、浅井戸(水位8m以下)の場合は、単純計算で半分ほどになると思います。

ただ、200V電源でなく普通の家庭用100Vですと少し割高ですので、普通の家庭ですと、月当たり1000円前後の電気代と思われます。

井戸を自分で掘る
ネットを検索していましたらご自分で、浅井戸(5〜10m)を掘った方たちの、HPがいくつか見つかりました。井戸掘りにも挑戦して見るのも面白いでしょう。
追記 2007-07-15
作業場が暑くてたまらないので、スポットクーラーとして普通のエアコンユニットを使用してみる。

作業場が広すぎて失敗、、、あまり効果を感じれない。別の方法を考えます。2007-8
追記 2008-07-10
据え置きタイプのクーラーユニットを手に入れたので、作業場用にスポットクーラーとして使用してみる。

結構うまく行きました。前のみですが涼しくてOKです。2008-8
2008-07-11 損益分岐点の考察
井戸水クーラーは、外気温が高いほど、効率的になり、よく効きます。逆に外気温が低いと効率が悪くなります。

コンセントにさす積算電力計で、同じ部屋にあるエアコンを稼動して、電力を調べて見ましたところ、外気温が30度を下回ると、深井戸ポンプ400W以上を使用している場合は、エアコンに比べて、経済的な優位がなくなります。


普通の浅井戸で、小型の井戸ポンプの場合でも、井戸クーラーが1台の場合は、外気温が30度を目安として使用するのが良いと思います。
追記 2009-07-12 エネルギー効率について
エアコンには、エネルギー効率という数値があってこれが高いほど経済的ということです。

ちなみに2009年ですと冷房で5前後ですが、これはカタログ数値のため割り引いて考えないといけません。実際には3〜4だと思われます。

では井戸クーラーの場合はどうでしょうか?

当方の環境のナショナル深井戸ポンプ、400Wの場合ですと計算式は省きますが、外気温が30度を超えるようになれば、エネルギー効率は8〜10になります。

当方のような深井戸で無い場合は、もっと効率が良く、100Vの電源でもエネルギー効率は10〜15という数値になると思われます。200Vならもっと経済的になります。












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