コンサートでの双眼鏡の手振れ対策


双眼鏡をコンサートで、使うようになって、痛切に感じるのは手振れ対策です。

実際に色々な双眼鏡を使ってみて、わかった事は、手ぶれ対策をしないのであれば、どんな超高級品や高倍率機を使っても大同小異です。細かい所の確認は、まったく出来ないということです。

三脚固定の安物双眼鏡の方が、手持ちの高級双眼鏡よりも細部の確認が出来ます。

三脚や一脚を使用しないのであれば、5倍で読み取り出来ない文字は、10倍でも読み取りできません(超ベテランは除く)。

また、キンニクマンみたいな人でない限り、長時間連続で、腕を上げたままの姿勢は、まず無理です。その意味でも手振れ対策は重要と思えます。

トップページ  コンサート用超広角双眼鏡

Canon 10x30IS 防振双眼鏡
コンサートではこれがおすすめ
スペック

有効径 30mm
倍率  10倍
実視界 6°
視野角  60度 
1000m先の視野 105m
ひとみ径 3.0mm
アイレリーフ 14.5mm  
最短合焦距離 4.2m
プリズム材質 Bak4
サイズ   127×150×70mm
重量   600g  電池別(単3x2)
その他 : 視度補正あり SF
手振れ対策のスタンダードとして、この機種をベースに比較検討していきます。

手振れ補正(防止)の性能としては、コンサート等を見るには、ほぼ完璧と言っても過言ではありません。細かい揺れがなくなるため、ピント合わせが格段に楽です。

手振れがあると、ピントをきっちりとあわせる事がしにくいので、対象物の細部がさらに、見にくくなります。

2階席から使用して、1階席の最前列と同等です。髪の毛が一本だけ離れて、おでこに張り付いているのを確認できました。タレントの肌の質感までわかります。

超広角の臨場感が大好きな私でも、防振が効いた時のリアル感には、虜にさせられます。コンサートでは、人物がものすごく生き生きと見えます。大げさに言ったらマネキンと生身の人間くらい違って見えます。

ただ、残念な事に、この機種には、三脚固定用のネジ穴がありません。本体&自分の腕の重さで、長時間連続で見続けるのは、普通の人には不可能です。

対策として、専用のホルダーを自作して、一脚などに固定できるようにしました。

このタイプで、視野角が65度以上、出来たらビクセンアスコット程度の80度以上になれば、コンサート用の理想となりますね。


小型カメラ用の三脚使用
コンサートでは、ちょっと使いずらい
小型カメラ用の普通の軽量なアルミ製の三脚
縮めて約45センチ、伸ばして150センチほど

価格は2000〜5000円程度

双眼鏡にビノホルダー(2000円程度)を取り付けて、雲台にワンタッチアダプターを介して、固定

写真は、SW-735を取り付けて見たところです。

10xで陽炎は普通に確認できます。
手振れ対策の基本として、軽量な小型カメラ用のアルミ三脚を使用してみました。

小型カメラ用なので、全体が華奢に出来ています。そのため、手を添えていると微小振動が出ます。30ISで防振を効かせたときより振動しています。

この微振動を防ぐには、手と目を双眼鏡から、離す必要があります。手を添えたままでも、 完全に手振れを防ぐためには、大型カメラ用(又は天文用)のがっちりした三脚にしないとだめなようです。

それでも三脚は三脚です、景色を見ると陽炎が確認できます。手振れが防止される事で、双眼鏡の解像力が何ランクもアップし、とても見やすくなります。

ただし、対象物があまり動かない場合は良いですが、頻繁に動く場合には、追尾がしにくいとう欠点が出ます。

コンサートで使うには、荷物になる事、使用時に場所をとる事、周囲の目線が痛い事、タレントの追尾がしにくい事、などで、あまり実用性は無いと思われます。

ましてや、30IS並みの防振が出来るような頑強な三脚では、スタッフでもない限り、会場に持ち込むことも不可能でしょう。

○ 手振れがほぼ完全に無くなる
× 対象物を追っての操作がしにくい


小型カメラ用の一脚使用
コストパフォーマンスは一番

カメラ用の普通の一脚

縮小して約40センチ、伸ばして1500程度

ホルダーにケンコーSG10x25ツイストアップをベルトで縛りつけてみました。

椅子の上(股の間)に立てて、右手で双眼鏡、左手で一脚の最下部を持って動かせば、対象を追うのが楽で、手振れもほとんどありません。

10xで陽炎は少しがんばれば、確認可能です。
首にポシェットをかけて、その中に一脚の下部を差し込んで、足場として固定すれば、歩きながらでも使用可能です。

地面に立てた時と比べてやや安定度にかけますが、自由度は高く、野外コンサートには重宝します。

10倍時での陽炎は、呼吸を止めてしっかり集中しないと、確認できませんでした。
手振れ防止に、小型カメラ用の一脚を使用してみました。

三脚と比べて、すこし手振れは大きくなりますが、その分取り回しの自由度が格段に上がります。じっとしていれば、お天気の良い日なら、陽炎の確認が出来ました。

コンサートでの使用も椅子の上に一脚を乗せる事で場所もとりませんし、あまり周囲の目もきになりません。

野外の場合なら、お腹の当たりにポシェットをぶら下げて、一脚の足を突っ込んで、足場とすれば、歩きながらでも使用可能となります。

防振の30ISには、敵いませんが、手持ちオンリーと比べれば、比較にならないほど手振れが防止できます。また腕の疲労も防げますので、長時間の使用にも耐えられます。

ビノホルダーの無い小型機種でも、一脚の頭頂部と双眼鏡を共持ちすれば、十分な手振れ対策となります。もちろんベルトホルダーなどで固定すればさらに安定します。

一脚なら、あまり荷物にもなりませんので、普通の方が使うには最適かと思います。


○ 手振れを9割程度防止できて、かつ対象物を捕らえやすい。
× 手を放すと、転倒する。


コンサート用としては、『一脚+安物双眼鏡』でも、十分だと思います。防振のない高い(数万円の)双眼鏡を買っても、手持ちでは性能がまったく生かしきれません。

ただし、安物は狭角(45度以下)な製品も多いので、その点には注意して、50度以上ある製品を購入するようにしてください。視野角が狭いと井戸の底から見ているようで、迫力がなくなります。

また、2万以上出すなら、キャノンの防振双眼鏡の8x25ISが2.5〜2.8万円、10x30ISが4〜4.5万円で買えますので、もう少し出して、防振双眼鏡を買った方が良いです。

なお8倍は電池が特殊ですが、最近では100均で売ってますので心配いりません。


30IS専用のビノホルダー(手製スタンド)
長時間の連続使用が、出来るようになりました

1
金属板の上にスポンジで30ISの底の形状に対して凹になるように形成したクッションを接着する
2
裏側に補強バーを付けて雲台アタッチメントをネジ止めする
3
伸縮性のあるベルトを巻きつけて固定する
4
念のため、ベルトは二重巻きとする


補強バーは、ベルトで締めたときの変形防止。雲台アタッチメントの取り付け部の変形防止。ベルトが移動した時ののはずれ防止の役目があります。
一脚を使用してみて、腕の疲労予防に絶大な効果があることが分かりましたので、30ISも一脚が使用できるようにしました。

30ISは、ビノホルダー用のネジ穴がありません。折角の防振が付いていても、手持ち専用では、腕の疲労のため連続使用が、出来ません。

ビノホルダーならぬ、ビノステーブルを自作してみました。これを使って、一脚等にワンタッチで取り付ける事が出来るようにしました。

台の上に30ISをおいて、バンドで縛って固定する方法です。

裏に、カメラ用のワンタッチ取り付け具を取り付けてありますので、一脚への取り付け取り外しが簡単に出来ます

これで、腕の疲労を大幅に軽減できますので、長時間連続でもらくに使用することが出来ます。

また余分な揺れを一脚で軽減できますので、30ISの防振機構への負担も軽くなります。


○ 腕の重さを相殺できるので、長時間の連続使用が出来る
× ただでさえ大柄なのにさらに大きくなるので気軽には使えない